投資の基本

個人投資家にとって最強のアセットアロケーションとは何なのか?

2020年9月23日

 

「アセットアロケーションやポートフォリオについて知りたい」
「資産に占める株式の割合はどのくらいにすればよいのか」

本記事では、そういった疑問を解決します。

本記事の内容

・アセットアロケーションとは
・万人に最適なポートフォリオなど無い
・2021年におすすめなアセットアロケーションとは

本記事の信頼性

「投資家ドットコム」を運営する「ロニイ(Twitterはこちら)」と申します。

実際に資産運用をしながら、投資・金融ライターをしています。

今回は資産運用において、いちばん重要といわれている「アセットアロケーション」について解説していきたいと思います。

個人投資家にとって最強のアセットアロケーションとは何なのか?

結論から申しますと、人それぞれというしかありません。
ただ、オススメのアセットアロケーションが存在しないわけでもありません

そこで、本記事ではアセットアロケーションについて分かりやすく解説していきたいと思います。

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

アセットアロケーションとは?

アセットアロケーションとは

自分の金融資産をどのような商品に投資するのかをアセットアロケーションといいます。

また、同一資産(例えば株式)のなかで違う銘柄を組み合わせていく、これをポートフォリオといいます。

また、アセットアロケーションの一環として金融資産を通貨別・国別に分散することもあります。

 

例えば、日本に住んでいるサラリーマン兼投資家であれば、日本円を給与所得として得ているため、米ドルやユーロに投資した方がリスクを回避することができるかもしれません。

リスクを最低限に抑えリターンを最大化させる唯一の方法がアセットアロケーションやポートフォリオなのです。
ここで重要なのが「トヨタ自動車」などの個別銘柄に投資する前に「株式」や「債券」といった資産アセットの配分に注意するべきという点です。

アセットアロケーションのベースとなる資産には次のようなものがあります。

資産別アセット

①株式
②債券
③不動産
コモディティ(金や原油、プラチナなど)
⑤通貨(日本円、米ドル)
⑥デリバティブ
⑦保険

資産とは「お金を生む」ものであり、住んでいるだけで「お金を生まない」マイホームを資産と考えるべきではないでしょう。
※本記事では便宜上、資産とカウントします。

 

アセットアロケーションをしたことがないと思われる方も少なくないでしょう。
ただし、ほとんどの日本人は無意識のうちにアセットアロケーションをしています。

住宅ローンでマイホームを購入した世帯を見てみましょう。

不動産の割合が高いのは住宅ローンを借り入れているためです。

 

投資の世界には「レバレッジ」という概念があります。
レバレッジとは、お金を借り入れて事業活動や投資をすることを指します。

住宅ローンの場合、頭金500万円で3000万円の物件を購入した場合、レバレッジの倍率は6倍になります。

この6倍という数字、リスクが高いといわれている株式の信用取引の上限倍率である3.3倍をはるかに超えています。

つまり、頭金の3.3倍を超える借入れをしている世帯は「危険な」株取引よりもリスクの高い投資行為をしていることになるでしょう。
※誤解がないように付け加えると株式投資のすべてが「危険な」わけではありません。

住宅ローンを借り入れてない方であれば、現金比率が80%を超えていると思います。

しかしアセットアロケーションの観点からいうと、この状況は非常にまずいと言わざるを得ません。

日本円は世界でも安定した通貨として人気ですが、日本政府の財政赤字は世界随一であり、信用力の面からいうと米ドルやユーロに劣ります。

そのため、資産の全額を日本円で持っておくのは危険なのです。
また、リスクを取らない資産運用も逆に危険をいえるでしょう。

上記のチャートは日経平均株価です。

日経平均株価とは日本の主要企業225社の株価を集めてつくった株価指数のことで、日本経済全体の評価と捉えてもらうとよいでしょう。

ここ10年で日経平均株価は急上昇しており、相対的に日本円の価値が減少しているのです。

 

そのため、資産規模の大小に限らずリスクをとって資産形成をしていくことは重要といえます。

そのリスクとリターンのバランスを取るのがアセットアロケーションであり、日本人のほとんどが適切なアセットアロケーションを取れていないことになります。

ただ残念ながら、ポートフォリオの作成は資産運用をするうえであまり役立っていません。リターンを決める要因を見てみましょう。
アメリカの経済学者、バートン・マルキールが調査

リターンを決める要因

①アセットアロケーション→92%
②銘柄選び→4%
③タイミング→2%
④そのほか→2%

株式投資をされている人のなかには、「NTT」に○○%、「トヨタ自動車」に○○%というようなポートフォリオの作成に全力を挙げている人もいるかもしれません。

残念ながら銘柄選びを上手くやってもリターンはほとんど向上しないのです。
つまり、株式投資における銘柄選択は「趣味」のようにするのがいいでしょう。

それなのに、なぜ個人投資家は銘柄選びにこだわるのでしょうか?

 

その理由は、銘柄選びで大成功したのはウォーレン・バフェットの存在があると思います。

ウォーレン・バフェットとは

株式投資のみで世界有数の富豪となった投資家。寄付をしなければ、世界一の金持ちになるはずだった。

バフェット率いる「バークシャー・ハサウェイ」は、類い稀なる運と情報格差により、アセットアロケーションを活用せずに莫大な利益を上げてきました。
※バフェットはほとんど債券に投資しないことで有名

ただ、インターネットが普及した現在、彼自身も銘柄選びやタイミングのみでリターンを上げるのが難しいと述べています。

ウォーレン・バフェットは、妻に遺産の90%をS&P500インデックスファンド、10%を米国短期債で保有するようにといっていることは有名でしょう。

S&P500とは

S&P500とは、米国を代表する企業500社で構成される株価指数。「アップル」や「マイクロソフト」が含まれる

投資の天才・バフェットでさえ、個別銘柄に投資するべきではないと述べています。

つまり、凡人である我々はポートフォリオではなくアセットアロケーションに注目するべきで、その代表例が「ブリッジウォーター・アソシエーツ」を運用するレイ・ダリオです。

レイ・ダリオは債券や金などにも投資をしており、全天候型のアセットアロケーションで安定したリターンを出し続けているという特徴があります。

数年前には金価格の上昇を予想し、2020年に金価格は急上昇しました。

下記は数年前のレイ・ダリオ氏のポートフォリオです。

レイ・ダリオ氏のすごいところは、長期的な平均リターンが10%もあるのにも関わらず、リーマンショック時の損失を数%に抑えている点です。

ウォーレン・バフェット氏の長期リターンは20%を超えていますが、リーマンショック時には40%前後の下落を経験しています。

下記はバフェット氏が率いる投資会社の株価推移です。

長期的なリターンを最大化できるならウォーレン・バフェット流のやり方の方がいいのでは?と思われる方も多いでしょう。
僕もそう思います。

 

しかし、よく考えてみてください。

あなたの資産が5000万円から3000万円になって、投資を続けようと思いますか?

精神的にしんどくなる方も多いでしょう。

将来的に株価が上昇すると分かっていても、投資資金が元本割れをしていたら、健康によくないです。

また資産が減少するときには世の中が不況になっている可能性が高く、自らの雇用を失う可能性もあり、資産減少と雇用喪失が同時に起こると、経済的にも人生が成り立たなくなります

そのため、できるだけリスクを抑えつつリターンを最大化する必要性があるのです。

 

投資信託の詳しいリスクをまだ知らないという方は、次の記事も参考にしてみてください。

【6選】投資信託のリスクとは|リスクの種類・抑える方法を徹底分析!

万人にとって最強のアセットアロケーションなど無い

個人でアセットアロケーションをする必要がある理由

 

それでは個人投資家はどのようなアセットアロケーションをすれば良いのでしょうか。

僕は万人にとって最強のアセットアロケーションなど無いと考えています

家族構成や職業、リスク許容度、住宅ローンの有無などにより、その人が取れるリスクは変化してくるからです。

ただ、個人がゼロからアセットアロケーションを考えるのは大変でしょう。

そこでアセットアロケーションの始め方を解説しておきたいと思います。

アセットアロケーションの始め方

アセットアロケーションの始め方

①人生計画の作成
②資産計画の作成
③資産計画の実行
④資産計画の見直し

①人生計画の作成

まず、自分のアセットアロケーションをどうするか?というよりも人生計画をどうするか?を考える方が重要です。

どのくらいの年齢で結婚して、マイホームを建てて、年金はどのくらい貰うのか?という課題を炙り出さなければいけません。

自らの人生計画に基づかない資産計画は机上の空論と言えます。

自分が何歳にどのくらいの資金が必要なのか?そして、それは実現可能なのか?という観点で人生計画を立てればよいと考えています。

人生計画が完成した後に、資産計画を作っていきましょう。

②資産計画の作成

資産計画、つまりアセットアロケーションがここで登場します。

重要な点は2つあります。

リスク資産と非リスク資産のバランスを考える
期待リターンの設定

まず、リスク資産と非リスク資産のバランスを考えることが重要です。

リスク資産・・・株式、社債、不動産(マイホームを含む)、投資信託、商品(金など)、外貨

非リスク資産・・・日本円、国債、保険

アセットアロケーションの一般的な教科書では、マイホームや保険などを除外して考えることが多いのですが、個人投資家に関して言えば、それらもアセットアロケーションの一環として考えるべきです。

ただし、マイホームや保険をアセットアロケーションの主力に据えるべきではないでしょう。

20代や30代の単身世帯であれば、リスク資産:非リスク資産の割合を4:1程度にしておけばよいと思います。

また結婚して子供がいる家庭ならば、大黒柱の万が一に備える必要性がありますから保険や日本円といった非リスク資産を強化して、リスク資産:非リスク資産の割合を2:1程度に変化させるべきでしょう。

さらに50、60代の方であれば、65歳からは年金が給付されるためリスク資産を再び強化して、リスク資産:非リスク資産の割合を3:1程度としてもいいと思います。

重要な点は必要なときに必要なお金が手元にあることで、1年間働かなくても生活できる日本円を確保しておく。というのが目安になります

ただリスク資産も流動性があれば換金することができますから、過去のデータなどを参考にしてリスクを取っていくべきでしょう。

そして、期待リターンを設定しておくことも重要です。

非リスク資産のリターンはほぼゼロで固定されているため分かりやすいですが、リスク資産については今後10年、20年の間でどれくらいのリターンが見込めるのか考えておくべきです。

僕はリスク資産の期待リターンを7%に設定しています。7%と言うと荒唐無稽のよう聞こえるかもしれません。

ただ、僕は株式型インデックスファンドにのみ投資しています。

もともとの資産が少なくリスクを抑えても意味がないからです。

リスクを取った投資は危ないイメージがあると思います。
ただ金融の世界でリスクとは「長期的な価格上昇を前提としたときの価格の振れ幅」を指します。

自分が精神的に耐えられる範囲内で最高のリターンを目指すのがベストだと考えています。

リスクとリターンの関係については次の記事も参考にしてみて下さい。

資産運用のリスクとリターンの関係を徹底解説|低リスクで投資するには

③資産計画の実行

計画を立てたら、実際に資産計画を実行に移します。重要な点は1つ

積立投資を淡々と実行することです。

積立投資とは、毎月一定額を株式や債券に投資することで、株価や債券価格が下がったときに多くの資産を、価格が上昇したときには少ない資産を買い続ける投資方法のことです。

株価が上昇しても、下落しても、金融緩和があっても、大統領が変わっても自分のアセットアロケーションのやり方を信じて淡々と投資をしてください。

正直、アセットアロケーション(ポートフォリオ)の見直しは1~2年に1回で十分です。

あまりにもアセットアロケーションを変更すると、その度に取引の手数料がかかり、長期的なリターンを低下させるため注意してください。

ただしリバランスは定期的に実施しましょう。リバランスとは価格が上昇した資産と価格が減少した資産のバランスを見直すことです。具体例を見ていきましょう。

資産運用開始時のアセットアロケーションを

①株式:30%
②債券:20%
③不動産:10%
④現金:30%
⑤保険:10%

だったとします。

その後、株価・債券価格が上昇し、不動産価格が下落したために

①株式:46%
②債券:19%
③不動産:4%
④現金:23%
⑤保険:8%

に変化すると、当初想定していたアセットアロケーションが崩れることとなります。

そこで株式を売却し、債券・不動産・現金・保険の割合を高めること(リバランス)で資産配分を初期状態に戻すことができます。

兼業の個人投資家であれば、給与の一部を投資することになりますから、資産を売却せずにリバランスをすることもできます。

しかし、上記のように株式の価格が上昇しすぎると売却をする必要があるでしょう。

売却の手数料は惜しいですが、自らの資産計画に従いましょう。

また現金や保険などの非リスク資産をリバランスの対象にしないという考えもあります。

④資産計画の見直し

人生計画に大きな変更があったときには、資産計画を見直すことも重要です。

ただし、資産アセットの価格変動を理由に資産計画を見直すことはオススメしません。

例えば、投資を始めて半年で株価が30%も値下がりしたとしても資産運用は続けましょう。

金融資産のリターンは投資期間が長いほど平均化されます。つまり、資産運用を始めて最初の年のリターンがマイナス30%であったとしても資産計画を変更するべきではないのです

むしろ、一時的なリターンの低下は資産を大きく増加させるチャンスといえます。

一時的な感情で資産計画を見直した結果、機会損失が発生することもあるので、見直しには慎重になりましょう。

 

【2020~2021年】最強のポートフォリオ(アセットアロケーション)

さて、ここまでアセットアロケーションのやり方について分析してきました。

ただ、具体的なポートフォリオを教えてくれ!という人も多いのではないでしょうか。

そこで過去のデータと期待リターン、個人投資家の平均的なリスク許容度に基づいて僕なりのアセットアロケーションをしてみました。

まず、このアセットアロケーションは僕自身のものではありません。あくまで平均的なリスクを取れる日本人に向けてつくったものです。

日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオを知りたい方は次の記事も参考にしてみて下さい。

個人投資家はGPIF(年金)のポートフォリオを真似するべきなのか?

また住宅ローンを借りておられる方は、現金比率をもう少し高めてもいいでしょう。

このアセットアロケーションの特徴は4つあります。

①株式の割合が高い点
②金をアセットアロケーションに含んでいる点
③債券の割合を抑えている点
④保険の割合を低く抑えている点

株式はもっともリターンの高い資産であるため、アセットアロケーションに占める割合は70%となっています。

金は株式や現金のリスクを補う資産であるため、ポートフォリオに組み込んでいます。

債券の割合を低く抑えている理由は、下記の記事で詳しく解説しているのですが、簡単にいうと債券利回りが低下しているからです
債券投資をさらに知りたい方はこちらをクリック!!

まず、債券の割合が非常に低い理由として、世界中の債券価格が上昇(債券価格と利回りは逆相関の関係にある)しているからです。

米国の10年債利回りは2018年まで2%台はありました。

その後、債券利回りは1%を切るまでに低下し、2021年3月の時点では、1.75%と回復しつつあります。

そのため、米国の10年債利回りが2%を回復するまでは債券への投資を控えるべきだと考えています。

また、ネットで販売されている掛け捨て型の保険を中心とすることで、ポートフォリオに占めるリスク資産の割合を増やしています。

おすすめの金融商品

それでは、実際にどのような金融商品を購入するべきなのか見ていきましょう。

①株価指数→eMAXIS Slim 全世界株式
②債券→ニッセイ外国債券インデックスファンド
③金→純金上場信託(金の果実)
④現金→日本円
⑤保険→おすすめはネットで契約できる保険会社

まず、株式については「トヨタ自動車」などの株式ではなく、世界中の株式を集めた「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」をオススメします。

詳しくは下記の記事を読んでいただきたいのですが、投資額に対する手数料(信託報酬)は0.1%を切っており、ほとんどノーコストで投資ができます。

債券は高い利回りが期待できる「ニッセイ外国債券インデックスファンド」、金(ゴールド)は純金に交換することができる「純金上場信託(金の果実)」がオススメです。

 

eMAXIS Slim 全世界株式」「ニッセイ外国債券インデックスファンド」「純金上場信託(金の果実)」の3商品を購入できる証券会社としてはauカブコム証券があります。

auユーザーの方、証券会社の口座をたくさん持ちたくない方は「auカブコム証券」の公式ホームページから証券口座を開設してみてください。

auカブコム証券の公式ホームページはこちら

「auカブコム証券」について詳しく知りたい方は次の記事も参考にしてみて下さい。

【2021年5月】auカブコム証券のデメリットとメリットを徹底解説!

まとめ

この記事をまとめていきたいと思います。

本記事のまとめ

・アセットアロケーションとは資産の配分のこと
・定期的なリバランスが重要
・理想的な株式比率は70%

2010年代は長期的に株高が続いたため、アセットアロケーションをしなかった個人投資家も多いのが特徴でした。

しかし、2020年のコロナ・ショックでアセットアロケーションの重要性が見直され、債券や金(ゴールド)といった商品が見直されたのです。

 

もし、本記事を読んでも「アセットアロケーションが難しい」と思われた方は年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオを参考にしてみてください。

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それでは、また。

 

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